麻雀のスコア計算 実例12パターン|同点・トビ・三麻・チョンボまで全部計算してみた
「ウマとオカの計算は、記事を読めば理屈はわかる。でも自分の卓の数字を当てはめると、とたんに自信がなくなる」——集計係をやっていると、これが一番よく聞く声です。理屈の説明はどこにでもありますが、実際の数字を最後まで計算しきった例はあまり見かけません。
そこでこの記事では、セット麻雀で実際に起きる場面を12パターン用意して、持ち点からスコアが出るまでの途中式を全部そのまま載せます。同点・トビ・三麻・チョンボ罰符といった「例外っぽい場面」も省略しません。掲載している数字はすべて、まじゃすこの計算ロジック(自動テストで検証しているもの)と同じ式で別途プログラムを書いて再計算し、1件ずつ突き合わせて確認しています。
計算の型:3ステップだけ覚えれば全部同じ
どのパターンも、やることは変わりません。
| ① 素点 | (終了時の持ち点 − 開始時の持ち点)÷ 1,000。配られた点から増えた・減った分 |
|---|---|
| ② ウマ | 順位に応じた加減点を足す(例:10-30なら 1位+30/2位+10/3位−10/4位−30) |
| ③ オカ | 全員が(返し点 − 持ち点)÷ 1,000 ずつ出し、1位がまとめて受け取る |
最後に全員のスコアを足して0になるかを確認します。これがこの記事で一番お伝えしたいことで、0にならなければ、必ずどこかが間違っています。理屈がゼロサムだからです(例外は後述のチョンボ罰符だけ)。素点・ウマ・オカも、それぞれ単独で合計0になります。どの列で崩れたかを見れば、間違えた場所まで絞り込めます。用語そのものがあやしい方は、先にウマ・オカとは?初心者向けスコア計算入門を読むと、以下がぐっと追いやすくなります。
特に断りがなければ 四麻・25,000点持ち・30,000点返し・ウマ10-30 です。この場合のオカは、全員が(30,000 − 25,000)÷ 1,000 = 5.0 ずつ出して、1位が4人分の20.0を受け取ります。差し引きで1位は +15.0、2位以下は −5.0 で固定です。
基本編:まずは標準的な1半荘
パターン1|ごく普通の四麻
終了時の持ち点が A 41,300/B 28,200/C 22,500/D 8,000 だったとします。
| 順位 | 持ち点 | ① 素点 | ② ウマ | ③ オカ | スコア |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 A | 41,300 | +16.3 | +30 | +15.0 | +61.3 |
| 2位 B | 28,200 | +3.2 | +10 | −5.0 | +8.2 |
| 3位 C | 22,500 | −2.5 | −10 | −5.0 | −17.5 |
| 4位 D | 8,000 | −17.0 | −30 | −5.0 | −52.0 |
61.3 + 8.2 − 17.5 − 52.0 = 0.0。合計が0なので、この計算は正しいと確認できました。持ち点の合計も 100,000点=25,000×4人 でぴったり合っていて、素点の列(16.3 + 3.2 − 2.5 − 17.0)もオカの列(15.0 − 5.0 × 3)も、それぞれ0です。
パターン2|ウマを軽くする(5-10)
同じ持ち点のまま、ウマだけ「5-10」(1位+10/2位+5/3位−5/4位−10)に変えると、こうなります。
| 順位 | 持ち点 | ウマ10-30 | ウマ5-10 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 A | 41,300 | +61.3 | +41.3 | −20.0 |
| 2位 B | 28,200 | +8.2 | +3.2 | −5.0 |
| 3位 C | 22,500 | −17.5 | −12.5 | +5.0 |
| 4位 D | 8,000 | −52.0 | −32.0 | +20.0 |
ここが「ウマをどうするか」を決めるときの判断材料になります。ウマが重いほど素点の差より順位そのものが効くゲームになり、ラス回避の価値が跳ね上がります。逆にウマを軽くすると、たくさんあがって点を稼いだ人が報われやすくなります。初心者が混ざる会で「4位でも大惨事にならない」空気を作りたいなら、5-10や5-15は現実的な選択肢です。
パターン3|ウマなし(オカだけ)
| 順位 | 持ち点 | 素点 | オカ | スコア |
|---|---|---|---|---|
| 1位 A | 41,300 | +16.3 | +15.0 | +31.3 |
| 2位 B | 28,200 | +3.2 | −5.0 | −1.8 |
| 3位 C | 22,500 | −2.5 | −5.0 | −7.5 |
| 4位 D | 8,000 | −17.0 | −5.0 | −22.0 |
ウマがないと、2位以下は素点からオカの5.0を引いた値がそのままスコアになります。「トップだけ少し得をする」くらいの、いちばん素朴なルールです。
パターン4|オカなし(30,000点持ちの30,000点返し)
持ち点と返し点を同じにすると、全員が出すオカは(30,000 − 30,000)÷ 1,000 = 0 になり、消えます。持ち点が A 46,300/B 33,200/C 27,500/D 13,000 の場合:
| 順位 | 持ち点 | 素点 | ウマ | スコア |
|---|---|---|---|---|
| 1位 A | 46,300 | +16.3 | +30 | +46.3 |
| 2位 B | 33,200 | +3.2 | +10 | +13.2 |
| 3位 C | 27,500 | −2.5 | −10 | −12.5 |
| 4位 D | 13,000 | −17.0 | −30 | −47.0 |
「オカって結局なに?」という質問には、この2パターンを見比べてもらうのが一番早いと思っています。オカは、持ち点と返し点の差を全員から集めて、トップに丸ごと渡す仕組み(トップ自身の分も含めて集めるので、トップの差し引きは人数−1人分)。だから持ち点=返し点にすると、集める原資がなくなって存在ごと消えます。
同点編:ここで手が止まる人が一番多い
集計係として断言しますが、手計算が止まるのはだいたい同点のときです。「順位はどっちが上?」「ウマはどう分ける?」でその場の空気が止まります。公平で説明しやすいのは、同点は同順位とし、その順位帯のウマとオカを人数で均等に分けるやり方です。以下はすべてその方式で計算しています。
パターン5|1位が同点2人
A 35,000/B 35,000/C 20,000/D 10,000。AとBは1位と2位を分け合うので、ウマは(+30 + 10)÷ 2 = +20 ずつ。オカは4人から集めた20.0を2人で割って +10.0 ずつ受け取り、自分が出した5.0を引いて +5.0 ずつです。
| 順位 | 持ち点 | 素点 | ウマ(分配後) | オカ(分配後) | スコア |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 A | 35,000 | +10.0 | +20.0 | +5.0 | +35.0 |
| 1位 B | 35,000 | +10.0 | +20.0 | +5.0 | +35.0 |
| 3位 C | 20,000 | −5.0 | −10 | −5.0 | −20.0 |
| 4位 D | 10,000 | −15.0 | −30 | −5.0 | −50.0 |
合計は 35.0 + 35.0 − 20.0 − 50.0 = 0.0。同点でもゼロサムは崩れません。3位のCが「2位」ではなく3位扱いになる点に注意してください(1位が2人いるので2位が空席になる)。ここを2位として+10を渡すと、合計が0からずれて破綻します。
パターン6|2位と3位が同点
A 40,000/B 25,000/C 25,000/D 10,000。BとCで(+10 −10)÷ 2 = 0 ずつ。
| 順位 | 持ち点 | 素点 | ウマ(分配後) | オカ | スコア |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 A | 40,000 | +15.0 | +30 | +15.0 | +60.0 |
| 2位 B | 25,000 | 0.0 | 0.0 | −5.0 | −5.0 |
| 2位 C | 25,000 | 0.0 | 0.0 | −5.0 | −5.0 |
| 4位 D | 10,000 | −15.0 | −30 | −5.0 | −50.0 |
ちょうど打ち消し合って、2人ともウマ0になりました。
パターン7|4人全員が同点
A〜D全員 25,000点。素点は全員 0.0。ウマは(30 + 10 − 10 − 30)÷ 4 = 0、オカは集めた20.0を4人で割って +5.0 ずつ受け取り、出した5.0と相殺して0。
結果は 全員 0.0 です。0.0 + 0 + 0.0 = 0.0。誰も得も損もしない、理屈どおりの答えになります。実戦ではまず起きませんが、「同点処理の式が正しいか」を確かめるにはいい検算になります。
例外編:トビ・三麻・チョンボ
パターン8|トビ(持ち点がマイナス)
A 52,400/B 30,600/C 21,500/D −4,500。マイナスの持ち点でも、式はまったく変わりません。
| 順位 | 持ち点 | 素点 | ウマ | オカ | スコア |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 A | 52,400 | +27.4 | +30 | +15.0 | +72.4 |
| 2位 B | 30,600 | +5.6 | +10 | −5.0 | +10.6 |
| 3位 C | 21,500 | −3.5 | −10 | −5.0 | −18.5 |
| 4位 D | −4,500 | −29.5 | −30 | −5.0 | −64.5 |
手計算でここを間違える人が多いのは、「−4,500 − 25,000」を「−4,500 + 25,000」と打ち間違えるからです。マイナスの持ち点が出た半荘は、素点の符号だけ声に出して確認するくらいでちょうどいいと思います。なお、トビ賞(飛ばした人にボーナス)を採用しているグループは、ここまで計算したあとに別枠で足し引きします。素点・ウマ・オカの式には混ぜないでください。
パターン9|三麻(35,000点持ち・35,000点返し・ウマ10-0-10)
三麻はオカを出す人数が3人になります。ここは持ち点と返し点が同じなので、出すオカは(35,000 − 35,000)÷ 1,000 = 0pts、つまりオカなしです。順位による上乗せはウマだけになります。持ち点は A 58,000/B 34,000/C 13,000(合計105,000点=35,000×3人)。
| 順位 | 持ち点 | 素点 | ウマ | オカ | スコア |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 A | 58,000 | +23.0 | +10 | — | +33.0 |
| 2位 B | 34,000 | −1.0 | 0 | — | −1.0 |
| 3位 C | 13,000 | −22.0 | −10 | — | −32.0 |
三麻のウマが「10-0-10」のように2位を0にして1位と3位を対称にするのは、こうすればウマの合計がきれいに0になるからです。四麻の10-30をそのまま3人に流用すると(30 + 10 − 10 = +30)合計が0にならず、集計が壊れます。三麻と四麻の違いは3人麻雀と4人麻雀の違いにまとめています。
パターン10|三麻で2位・3位が同点
パターン9と同じ設定(35,000点持ち・35,000点返し・ウマ10-0-10)で、A 57,000/B 24,000/C 24,000。BとCでウマを山分けして(0 − 10)÷ 2 = −5.0 ずつ。
| 順位 | 持ち点 | 素点 | ウマ(分配後) | オカ | スコア |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 A | 57,000 | +22.0 | +10 | — | +32.0 |
| 2位 B | 24,000 | −11.0 | −5.0 | — | −16.0 |
| 2位 C | 24,000 | −11.0 | −5.0 | — | −16.0 |
合計 32.0 − 16.0 − 16.0 = 0.0。ウマの数字が奇数のとき(15-0-15で2位・3位が同点なら −7.5 ずつ)は0.5刻みの端数が出ますが、これは正しい姿です。「半端な数字が出た=間違い」ではないので、無理に丸めないでください。
パターン11|チョンボ罰符あり(ここだけ合計が0にならない)
パターン1と同じ持ち点で、Dがチョンボ(罰符 −20pts)した場合。
| 順位 | スコア(罰符前) | 罰符 | 最終スコア |
|---|---|---|---|
| 1位 A | +61.3 | — | +61.3 |
| 2位 B | +8.2 | — | +8.2 |
| 3位 C | −17.5 | — | −17.5 |
| 4位 D | −52.0 | −20.0 | −72.0 |
合計は −20.0。この記事で唯一、合計が0にならないパターンです。罰符を「他の3人に配る」のではなく「場から消す」方式だからで、ゼロサムをどうしても保ちたいグループは、罰符を3等分して他家に配るルールにしてください(−20を3人に配るなら各 +6.67 で端数が出るので、−30を3人に+10ずつ、のように人数で割り切れる額にしておくと後がラクです)。チョンボの扱いそのものは麻雀のマナーとチョンボで解説しています。
パターン12|3試合を通した累計と平均着順
最後は、半荘を重ねたときの見え方です。同じ4人で3試合打った場合を、1試合ずつ計算して積み上げてみます。
| 試合 | 持ち点(A/B/C/D) | A | B | C | D |
|---|---|---|---|---|---|
| 1試合目 | 41,300/28,200/22,500/8,000 | +61.3 | +8.2 | −17.5 | −52.0 |
| 2試合目 | 22,000/35,600/30,400/12,000 | −18.0 | +55.6 | +10.4 | −48.0 |
| 3試合目 | 28,900/19,100/44,000/8,000 | +8.9 | −20.9 | +64.0 | −52.0 |
| 累計 | — | +52.2 | +42.9 | +56.9 | −152.0 |
各試合の合計はどれも0で、累計もやはり0(52.2 + 42.9 + 56.9 − 152.0 = 0.0)です。1試合ごとにゼロサムなら、何試合積んでもゼロサムのままになります。ここが崩れたら、足し算ではなくどれか1試合の計算が間違っています。
おもしろいのは着順のほうです。A・B・Cはそれぞれ1位・2位・3位を1回ずつ取っているので、3人とも平均着順は2.00でまったく同じです。それでも累計は +42.9 から +56.9 まで14ptsの差がつきました。
| プレイヤー | 着順の内訳 | 平均着順 | 累計スコア |
|---|---|---|---|
| A | 1位・3位・2位 | 2.00 | +52.2 |
| B | 2位・1位・3位 | 2.00 | +42.9 |
| C | 3位・2位・1位 | 2.00 | +56.9 |
| D | 4位・4位・4位 | 4.00 | −152.0 |
差を作っているのは素点です。同じ1位でも、41,300点のトップと44,000点のトップでは持ち帰る点が違います。平均着順は「どれだけ安定して上位にいたか」、累計スコアは「どれだけ大きく勝ったか」を表す別の指標だということが、この3試合だけでもはっきり出ます。成績を見るときは片方だけでなく、両方並べて見てください。試合数が違う人が混ざる会での比べ方は5人以上で麻雀を打つときの回し方にまとめています。
手計算でつまずいたときの見どころ
12パターンを並べてみると、間違いが起きる場所はかなり限られているとわかります。
| 症状 | まず疑うところ |
|---|---|
| 合計が0にならない | 持ち点の合計が「持ち点 × 人数」になっているか。供託のリーチ棒を場に残したまま数えていないか |
| 合計が0にならない(同点あり) | 同点で空席になった順位に、誰かのウマを渡していないか(パターン5参照) |
| 1位だけ数字が大きすぎる/小さすぎる | オカを二重に足していないか、逆に足し忘れていないか |
| 4位の数字がおかしい | マイナスの持ち点の引き算で符号を取り違えていないか(パターン8参照) |
| 三麻で合計が合わない | 四麻用のウマ(10-30など)をそのまま使っていないか(パターン9参照) |
原因の切り分けをもっと詳しくたどりたい場合は、麻雀の点数が合わないときのチェックリストに、卓の上で使える順番でまとめてあります。
よくある質問
Q. 素点の端数(100点単位)はどう扱う?
そのまま小数で持つのが正解です。25,000点持ちで41,300点なら +16.3 で、+16 に丸めてはいけません。丸めた瞬間に合計が0からずれて、検算が使えなくなります。1,000点未満の端数が出るルール(一本場の積み棒など)でも同じで、最後まで小数のまま計算して、表示だけ小数第1位にするのが扱いやすいです。
Q. 「五捨六入」で順位点をつけるルールを見たことがあるけれど?
持ち点を1,000点単位に丸めてから計算する方式(五捨六入する、など)を使うグループもあります。この記事の計算とは別のルール体系なので、混ぜないでください。どちらでも構いませんが、その日の全半荘で必ず統一することだけは守ってください。半荘ごとに方式が変わると、後から検算しても一致しなくなります。
Q. 途中でメンバーが入れ替わる場合は?
半荘は「その半荘に座っていた人の間で」ゼロサムになるので、半荘ごとに独立して計算すれば問題ありません。5人以上で抜け番を回す場合の集計は5人以上で麻雀を打つときの回し方で扱っています。
Q. これを毎回やるのは正直しんどいのですが
正直に言うと、私もそう思ってこのアプリを作りました。ここまでの12パターンはすべて、まじゃすこに表示点数を入れれば同じ答えが一瞬で出ます。同点の分配もトビも三麻も、場合分けを意識せずそのまま入力できます。手計算の練習として一度は通っておくと、アプリが出した数字を「正しいと確認できる」ようになるので、この記事はそのための下敷きとして使ってもらえたら嬉しいです。
まとめ
- 計算は素点(開始時の持ち点からの増減) → ウマ → オカの3ステップ。どのパターンでもこれは変わらない。
- 全員のスコアの合計は0。0にならなければ必ずどこかが間違っている(唯一の例外はチョンボ罰符)。
- 同点は同順位にして、その順位帯のウマとオカを人数で割る。空席になった順位に誰かを入れない。
- 三麻はオカを出す人数が3人(持ち点と返し点が同じならオカなし)、ウマは合計0になる形(10-0-10など)を使う。
- マイナスの持ち点は符号だけ声に出して確認。ここが手計算最大の落とし穴。
この12パターン、全部アプリなら一瞬で。
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